枝の上のイチョウ



光る文章講座

美術レポート


―― はじめに ――
1.『イタリアルネサンス』
  @ 「ルネサンス」
  A 「ボッティチェッリ」
  B 「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
  C 「ミケランジェロ」
  D 「ラファエロ」
2.『フランス印象派』
  @ 「モネ」
  A 「マネ」
  B 「ドガ」
  C 「ルノワール」
  D 「シスレー」
3.

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はじめに

美術関係の作文やレポート類は、当初「図工作文」のサイトに
掲載していたが、
それらは工作に類するものとは性格を異にするため、
新たにこのサイトを設けることにした。

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『イタリアルネサンス』 (高1 椎谷咲歩)

まずは、概要から。

  @ 「ルネサンス」

添削例・諸注意
 ルネサンス(Renaissance)は、「復活」、「再生」を意味するフランス語で、通常「文芸復興」と訳されます。13世紀末から15世紀末にかけてイタリアで興った芸術上の革新運動で、古代ギリシア・ローマの文化を復興しようとするものでした。それまでの神中心の文化から人間中心の文化への転機となって、それ以降、文学、美術にとどまらず、建築や舞踊など、文化の諸分野に広く影響を及ぼしました。

 ここで取り上げるのは美術です。ルネサンスの絵画には、二つの大きな特徴があります。
 一つは透視画法です。これは、1点を視点とし、物体を遠近法によって、私たちの目に映るのと同じ状態に描く画法です。
 もう一つは肉体表現です。遠近法によって空間を現実的に表現するとともに、人体もできるだけ正確に再現するようにしています。そのため、人間の筋肉がどのようについているかが研究されるようになり、特にレオナルド・ダ・ヴィンチは何体もの解剖を手がけていたといわれます。

 イタリアルネサンスを代表する芸術家に、ボッティチェリ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロがいます。この3人について調べたことを、このあと順にまとめます。











以下、代表的人物論へ。

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1−A 「ボッティチェッリ」
Sandro Botticelli (1444〜1510)

添削例・諸注意
 サンドロ・ボッティチェッリはルネサンス期のイタリアのフィレンツェで生まれました。彼はフィレンツェ派の代表的な画家で、初期ルネサンスで最も大きな業績を残したと言われています。彼は神秘主義的な宗教画を描いていました。特に有名な代表作が2つあります。
 一つは、「プリアヴェーラ(春)」です。木版にテンペラで神話の登場人物たちが描かれています。6人の女性と2人の男性、それに、オレンジの木々を背景に矢を構えているキューピットが描かれています。これは、男女間の愛の芽生えを促していると考えられ、「世界で最も有名な絵画作品の一つ」とも、「世界で最も議論の的となっている絵画作品の一つ」とも言われています。
 もう一つは、「ヴィ−ナスの誕生」です。この絵には、ギリシア神話で語られているとおり、女性ヴィーナスが成熟した大人の女性として海より出現した様子が描かれています。優しげで、はかなげなヴィーナスは「愛」を表現していると考えられています。
 ボッチチェッリが大切にしたかったのは、科学的な正確さではなく、どこまでも」優美で繊細な姿でした。
  


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1−B 「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
Leonardo da Vinci (1452〜1519)

添削例・諸注意
 レオナルド・ダ・ヴィンチは、イタリアのルネサンス期を代表する芸術家であり、絵画をはじめ、彫刻や建築、音楽など様々な分野に業績を残し、「万能人」とも呼ばれています。彼の作品には、詳細な知識に立脚した革命的な技法が使われています。人物の表情やポーズで感情を表現する技法や、人物の配置や配色による構成法など、彼の作品には際立った特徴が見られます。特に有名な作品に「モナ・リザ」と「最後の晩餐」があります。
 「モナ・リザ」は、レオナルドが16世紀に描いた肖像画で、世界で最も有名な絵画作品です。描かれた女性の目と口元の微妙な陰影が謎めいた雰囲気をかもしだしているように見え、とらえどころのない微笑が高く評価されています。
 「最後の晩餐」は、レオナルドが1490年に描いた作品で、ここにはキリストが12人の弟子とともにとった晩餐の様子が描かれています。この作品は、キリストが「あなたがたのうちの一人が、私を裏切ろうとしている」と言った言葉に、12人の弟子たちが狼狽したという「ヨハネによる福音書」の一場面を描いたものです。その場面には、奥行きを出す遠近法が初めて使われ、それまでとは全く違った新しい芸術を生み出したと評価されています。
 レオナルドの作品は多くの人々を引きつけるとともに、その技法が現在にも受け継がれています。その他にも、人物の体を描いた「ウィトルウィウスの人体図」や、解剖学についての作品などもあります。



← 彼の絵画作品には、克明な知識に……

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」というのは、
「ヴィンチ村のレオナルド」ということなのだそうだ。
だから、彼を指して「ダ・ヴィンチ」と呼ぶのは正しくないようだ。

日本には幕末の静岡に「森の石松」という人物がいたが、
彼の場合は、「遠州森村出身の石松」ということだったようで、
レオナルドの場合も、これと同じことなのだろう。

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1−C 「ミケランジェロ」
Michelangelo Buonarroti (1475〜1564)

添削例・諸注意
 ミケランジェロ・ブオナロッティはイタリアルネッサンス最盛期の芸術家であり、西洋美術史上の絵画や彫刻など、多くの分野に大きな足跡を残しています。様々な分野で優れた芸術作品を残した多才さから「万能人」と呼ばれることもありました。彼は存命中から非常に優れた芸術家として高い評価を得ており、現在でも西洋美術史における最高の芸術家の一人と見なされています。彼の絵画・彫刻作品で、特に有名なものに次の三つの作品があります。
 一つ目は、絵画の「聖家族」です。これは、聖母マリアとキリストを中心に、周りに聖人を配し、マリアの夫のヨセフを描いているのが特徴です。わが子を見上げるマリアの表情は愛情と崇敬の念に満ちていると同時に、母としての力強さが、彫刻家としての人体表現によって描かれています。
 二つ目は、彫刻の「ダヴィデ像」です。これはルネサンス芸術を象徴する作品の一つです。ダヴィデとは、紀元前12世紀のイスラエル王国の第二代の国王で、イスラエルを統一した人物です。ミケランジェロはダヴィデ像に「コントラポスト」の構成を用いました。これは、人体の重心を片方に乗せ、もう片方を自由に遊ばせることで、身体全体の流れをS字型にしてバランスをとる構成法です。この構成法を用いたことによって、人間としての自然の動きを豊かに表現しています。
 三つ目は、同じく彫刻の「ピエタ」です。これは、キリストとその死を嘆くマリアの姿を現しています。ミケランジェロは、死せる息子キリストを抱えるマリアの悲しみに満ちた表情や衣服を細密に表現しています。それまでに彫刻に用いられた表現をはるかに超えたものとなっています。
 ミケランジェロの作品は、人物の動きや表情を自然に表現しているものが多く、見ている人々に躍動感を与えています。

ダヴィデ像に関して、ミケランジェロの、次のような言葉が伝えられている。
「私は叡智に導かれて、石の中に潜むダヴィデを彫り出しているに過ぎない」。
ミケランジェロは塑像などを造らず、いきなり彫り進んでいったようだ。

夏目漱石の『夢十夜』に、運慶が仁王像を彫るのを見物しているいる場面がある。
運慶が無造作に鑿と槌を動かして眉や鼻を彫っていくのを感心して見ていると、
見物人の一人が、
「木の中に仁王が埋まっているから、運慶が彫り出しているのだ」と言った。

二つの話はとてもよく似ている。

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1-D 「ラファエロ」
Raffaello Santi (1483〜1520)

添削例・諸注意
 ラファエロ・サンティはルネサンスの盛期を代表する画家、建築家で、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとともに三大巨匠といわれています。彼が描いた作品は、明確さと分かりやすい構造とともに、雄大な人間性を表す新プラトン主義を芸術作品に昇華したとして高く評価されています。ラファエロは聖母マリアと幼いイエス・キリストを描いた作品を多く残したことから、「聖母子の画家」とも呼ばれました。聖母を描いた代表作は三つあります。

 一つ目は、「小椅子の聖母」です。これは、幼いイエスを抱きしめる聖母マリアと、寂しげに二人を見つめる幼いヨハネが描かれています。この作品は直径71センチメートルの円の中に描かれてあり、ドントと呼ばれています。
 二つ目は、「ヴェルビュデーレの聖母」です。聖母マリアと二人の幼児が描かれています。幼児たちを見つめるマリアが牧場を背景に、ひときわ引き立つ赤と青の衣裳をまとって、聖母らしい清潔なインパクトを与えています。二人の幼児はイエスとヨハネの関係を表していると考えられています。
 三つ目は、「システィーナの聖母」です。聖シクストゥスと聖バルバラを両脇にして、聖母マリアが幼いイエスを抱きかかえ、その後ろには何十もの天使が描かれています。この絵に描かれているマリアの表情には厳しさが感じられます。
 これらの作品からは、ラファエロの女性に対する美を見出すことができ、人物を描く時の繊細さが多くの人を引き付けたと考えられます。

 ラファエロにはこのほか、有名な作品に「アテナイの学堂」があります。天を指さすプラトンと手の平を地に向けるアリストテレスを中心に、その周りにギリシアの哲人たちが描かれています。この絵を見ると、ラファエロは古代ギリシャに精通していたことを窺わせます。


古代ギリシアとの関係をもって、「ルネサンス」は「復興」なのだね。

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『フランス印象派』(高1 椎谷 咲歩)

添削例・諸注意
 19世紀後半のフランスでは、印象派と呼ばれる人々の芸術運動があり、絵画はその中心にありました。印象派は写実主義の主題を引き継いでいますが、そのままではなく、原色を隣り合わせで塗り、色の混濁を防ぐ技法を生み出しています。代表的な画家にはモネ、マネ、ドガ、ルノワールなどがいます。ここではその4人を取り上げて、特徴などを見てみたいと思います。


2−@ 「モネ」
Claude Monet (1840〜1926)

添削例・諸注意
 モネは「光の画家」と呼ばれ、時間や季節とともに移りゆく光と影の変化を色彩によって生涯にわたって追求しました。代表的な作品には「睡蓮」、「散歩・日傘をさす女」、「ラ・ジャポネーズ」があります。
 モネは「睡蓮」を題材にした作品を数多く残しています。これらの作品では、水面のさまざまな光の変化を取り入れることによって空の色や雲の動きを描き、睡蓮を引き立てています。
 「散歩・日傘をさす女」に描かれている人物は、妻のカミーユ・ドンシューと息子のジャンと言われていますが、見る人がこの二人を見上げるような視点で描かれています。この作品の特徴は、カミーユのおぼろげな表情です。表情を覆い隠すヴェールを自然に描き出すことによって、見る人にカミーユの印象を強く与えています。
 モネは印象派の画家たちの中でも、特に浮世絵に影響された画家の一人で、「ラ・ジャポネーズ」は、日本文化の要素を取り入れて描かれています。日本の着物を着て、手に扇を持つ女は、妻のカミーユと言われ、背景には多くの扇が描かれています。
 モネにはこのほかにも多くの作品がありましが、基本的に鮮明で美しい色彩のものが多く、現在も人々を魅了し続けています。


[睡蓮」の作品は世界各地の美術館で見られるが、日本では、
国立西洋美術館に約2メートル平方の作品が展示されている。

余談だが、岐阜県の関市に
モネの「睡蓮」の絵にそっくりな「モネの池」があるそうだ。

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2−A 「マネ」
Edouard Manet (1832〜1883)

添削例・諸注意
 エドゥアール・マネは印象派の先駆的画家で、日本の浮世絵に触発された輪郭線と、明るい色彩と陰陽の組み合わせに特徴があります。代表的な作品に「草上の昼食」、「オランピア」、「笛を吹く少年」があります。
 「草上の昼食」は、マネを一躍有名にした代表作です。この絵には、横向きの裸の女性と、正装して昼食をとっている二人の男性が描かれています。一目見て、裸の女性の印象が強く感じられますが、女性の脱いだ衣服を左右のピクニックの持ち物の中に配置することによって、「現実の裸体の女性」を印象づけています。
 「オランピア」には、花束を持った黒人の女性と、その前のベッドに横たわる裸体の女性が描かれています。ベッドや布団を実物のように描くことで、観る人に女性の印象を強く与えています。
 「笛を吹く少年」は、浮世絵の影響を受けて描かれた作品です。遠近感を廃し、コントラストの強い色彩を平面的に用いています。大きな瞳を見開き、あどけなさを残す表情を描くことで、少年の生き生きとした姿を表現しています。
 これらの他にも様々な作品を残していますが、どれも伝統的な形式にとらわれない、自由で個性的な色づかいのものが多く、観る人に強い印象を与えています。

「笛を吹く少年」は、素人目には「ただの絵」であるが、
このような解説を読むと、「なるほど」と思わせられる。

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2−B 「ドガ」
Edgar Degas (1834〜1917)

添削例・諸注意
 ドガの作品にはバレェを扱ったものが多く、真実性を強く感じさせる描写や大胆な構図が特徴です。代表的な作品には「舞台のバレェ稽古」、「踊りの花形」、「アイロンをかける女たち」があります。
 「舞台のバレェ稽古」は、舞台でバレェを踊る踊り子たちの感情豊かな表情や仕草、しなやかで自然な運動性などが表現されています。観る者が舞台の袖から舞台を見上げるかのような視点で描かれており、明暗や光の変化により繊細な表情を明確に感じることができます。
 「踊りの花形」は、舞台上で軽やかに舞う踊り子が描かれており、肉体の一つ一つの動きや躍動感が細かく表現されています。ドガは日本の浮世絵に影響を受けたと言われ、踊り子を上から見下ろすという大胆な構図で描かれています。
 「アイロンをかける女たち」は、バレェの作品ではありませんが、ドガの代表作の一つです。一人の淡い桃色の服を着た女性が、両手でアイロンを押しつけるようにかけており、もう一人の女性が白い服を着て大きなおくびをしています。二人の女性を繊細に描くことで、重労働の様子を表現しています。
 この他にもドガの作品はたくさんありますが、どの作品も人物の姿や動きを繊細に描いており、観る人に臨場感を与える作品を多く残しています。

国立西洋美術館(東京・上野)には、印象派の絵画が多く展示されているが、
本美術館は、2016年7月17日に世界文化遺産に登録された。

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2−C 「ルノワール」
Pierre Auguste Renoir(1841〜1919)

添削例・諸注意
 ピエール・オーギュスト・ルノワールの作品には、はっきりとした色彩で、人物を優しく穏やかに表現したものが多くあります。代表的な作品には、「ムーラン・ド・ギャレット」、「舟遊びの昼食」、「ブランコ」があります。
 「ムーラン・ド・ギャレット」には、ダンスホールで楽しく話をしたり踊ったりしている人々が描かれています。光と緑の中で明るく楽しそうな人々を描くことで、観る人まで気分を楽しくさせてくれる作品です。
 「舟遊びの昼食」は、川べりの2階のテラスから舟遊びをする人々の昼食をする場面を描いたものです。人物を描く際の生命感や自然な色彩描写、はっきりとした明暗などが細かく表現されており、ルノワールの集大成的な作品として注目されています。
 「ぶらんこ」には、ぶらんこのある大きな庭園で過ごす人々が描かれています。ルノワールは木々の間から射し込む光の変化や補色的で対称的な色彩描写の効果を追求しており、斑点状のやや荒いタッチで光を描くことによって、観る人を強く魅了しています。
 この他にも、ルノワールには多くの作品がありますが、そのほとんどははっきりと、しかも優しいタッチで描かれていて、現在も多くの人々から注目され続けています。

「ルノワール」という喫茶店があちこちにある。
店のイメージは、絵の「優しさ」にあやかっているのだろう。

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 2−D 「シスレー」
Alfred Sisley (1839〜1899)

添削例・諸注意
 アルフレッド・シスレーは、印象派を代表する画家の一人です。他の印象派の画家たちのような強烈な個性は示さないものの、光と色彩豊かな風景を描き続けたことにより、画家として広く認められています。そんな彼に代表作が3つあります。
 一つ目は「アルジャントゥイユのセーヌ川」です。この絵は、パリの西方に位置するセーヌ川が題材になっており、当時アルジャントゥイユはヨット競技の中心地の一つであったため、セーヌ川を行き交うヨットも描かれています。明るい自然の陽光に包まれているセーヌ河畔の町並みや、水面に反射するものなど、動きのあるものを大胆、かつ鮮やかに描いています。
 二つ目は「ルーヴシェンヌの庭」です。この絵はシスレーが移住した地のルーヴシェンヌの冬の景色です。遠近法により奥行きが表現されています。雪の白さや遠景の青みがかった色彩に対して、手前の木々や家屋の茶褐色、黄色味を帯びた壁などの暖色を描くことによって、お互いを引き立て合っています。また、中央に描かれている婦人は、寒々しい冬景色において、人間的な温もりを作品に与えています。
 三つ目は「ポール=マルリの洪水と小舟」です。これはセーヌ川の大氾濫後の情景を描いたものです。一階が水に漬かったワイン商の家屋や宿屋などを斜めに描き、その前で小舟に乗る二人の男が何かを話している風景が表現されています。水面に反射する太陽の光を軽快な色彩で自然に描いています。洪水という自然の脅威と、そんな状況でもたくましく生活する人々を表現し、観る者の目と心を強く惹きつけます。
 このように、シスレーの絵は他と違って、強烈な個性を表現した作品はありませんが、自然な、鮮やかな色彩が人々を惹きつけています。

名前が英語のようなのは、シスレーはイギリス生まれで
幼いころにフランスに移住したからなのだそうだ。

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3.『 』

準備中



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交叉桜(生垣の向こうから)